憂鬱

(※この記事には、安倍元首相銃撃事件に関係する内容が含まれますので、苦手な方は注意してください。)

 

何よりも、この事件でショックを受ける人や攻撃的になる人が現れて心の分断が進むことが、私は一番嫌だったのです。色々なことが頭を巡っていたけれど、何よりもみんなの心が乱れることが一番怖いと思ったから心の安全を守れととっさにツイートして発言にも気をつけようね、と言ったのだけれど。

 

何故言い訳がましく文章を書いているのかというと、「殺されても仕方ない」って言う人を見かけてしまって。それも、短文でもないし、ふざけてるような雰囲気でもなくて事件を機に態度が豹変した人を見てちょっとどころではなくショックを受けたし、不愉快な気持ちになったから心の整理をしている。

と言っても何故その発言が出てくるのか、理由がわからないわけでもないし、私も何も安倍氏が可哀想だから不愉快だとか、暴力はいけない、と言ったわけではないと言いたいわけ。

 

たとえ政治の話に明るくなくても、効果がよくわからなかったアベノミクスや、誰も使わなかったアベノマスクのこととか覚えてる。森友問題とかあと桜を見る会とか、よくわかんないまま逃げた気がするけど、どうなったんだろうっていうものばかりあった。

それらを記憶しているから、これまで有耶無耶にしてきた事柄の責任を取らないまま殺されて終わりというのが納得がいかない、という感情に近い。これは今日RTされてきて見た、なんとか先生の言葉です、というツイートに書かれていたから少しだけ言葉を借りてきたのだけれど。

他の部分は納得のいく部分といかない部分があるから、鵜呑みにしないように、って思ったのだけれど、その責任を負わせられないまま終わるのか、って言う部分には同調した。私は安倍氏も擁護しないし、犯人も擁護しない。だから書いた人の「(犯人の行動を)蛮行と非難しない」っていう部分は意見が違う。だから同様に「殺されて仕方ない」っていうことにも同調はしない。

暴力での解決はするべきでないってことと、安倍氏を支持するかとか、可哀想と思っているかっていう問題は別のところにあるから、そこを勘違いされたとしたらとても悲しい。思慮分別なくツイートしたと思われたなら、私は見くびられているなと思って残念だ。同時に伝えることができなくて、自分のことも少し残念に思った。

冬のもちもち酒場

何もかも無気力でただ日々を過ごしてるので謎のタイトルのブログを突然かく

 

特に生活に代わり映えはないが焦燥感がでてきた

 

春や夏のころは「アンドロイドは感情を持つのか」とかについて毎日永遠に考えてたけどいまはそんなこともない

 

何歳になってもポテトやハンバーガーが食べたい

 

ポテトやハンバーガーが実は大好きだから洒落たダイナーに連れてってくれ

 

何も「そんなに怒ることないじゃん」ってことが多すぎる

 

自分のための物を買わず人に突然花束買ったりストリートミュージシャンの歌ってる足元に1000円置いて帰ったりことに喜びを感じる

 

日本は終わってる

 

生きてる意味がない!って思うときだいたいメンタルが終わってるだけ

 

メンタルが終わりやすいときじゃないときに思い悩むと自分の感情なのか体の不調なのか曖昧になって心とは何かわからなくなる

 

Diorの朝焼けみたいな色のアイシャドウがほしい

 

冬の朝焼けと夕暮れと海の色 ため息がでるほど美しい

 

ただの山の色や海の色に感動できるようになったのここ2年くらい

 

みんなそんなに好きなものがあってすごい

 

いつか死ぬのかってこと突然思い出す

 

夢に細野晴臣が出てきてあとひとり知らない誰かが助手席にいて一緒にドライブした

 

 スズランの花が好き

 

家具をそろえるなら絶対ブルックリンスタイルだなって心に決めてる

 

好きなキャラクターを意識した行動・服装・アクセサリーが増えることによって心に活力が湧いてくるの、これは一種の宗教だね

 

デート用の服がないことに気づいてかなしい

 

なるべく目立たぬよう、好かれぬよう、嫌われぬよう空気のような行動してるの吉良吉影じゃん

 

好きなスタンドはキラークイーンD4Cだけど理由は強いからじゃなくてかわいいから、耳が。

 

冬のもちもち酒場ってなんだ?

 

フロイトとかデカルトの本読んでても怒らない彼氏ほしい

 

ボルシチたべたい

 

台湾行きたいけど八角の味あんまり好きじゃないから食べるものないし香港にしようぜ

 

好きじゃない人に「今日の服、花柄なんですね」って言われてだからなんなんだ?とか思ったの我ながら冷たくて笑ってしまった

 

かっこいいコーヒーカップがほしい

 

グーグルプラスが廃止になるからブログに取りつけたシェアボタンを取らなきゃいけないけど取り方忘れた

 

性格がかなり傲慢になったけど楽しいからOK

 

ゆめにっきのこと、MOTHERのこと、ハンターハンターのことは2ヵ月に1度は考える

 

読みかけた本、取れかけのパーマ、諦めた夢、そんなものばかり中途半端に散らかってる気がするから皆捨ててどこか遠くに旅に出たい

 

無駄に砂漠が好きでエキゾチックなものに憧れる

 

I WANT TO GO EGYPTって謎の刺繍が入ってる服を買った

 

実は今木星に向かう宇宙船の中にいて、移動時間にブログを書いているのだとか暗示をかけて人生を楽しくしている

 

 

 

 

 

 

FGO2部3章 人智統合真国シンとシビュラシステム

スマホゲームFGO 2部3章をやっていてPSYCHO-PASSの世界に幾分か近いなと思った。

2部3章人智統合真国シンのシナリオ担当とPSYCHO-PASSの脚本は同じく虚渕玄氏が書いているので似た世界観になるのは当然というば当然だけれども、違った形の完成された世界がこうも同じような結論で統治されているとなると虚渕氏の考える完全なる統治社会像が見えてくるようなそんな気がした。

 

2部3章シンという国は異聞体と呼ばれる歴史の転換点を迎えたまま発展し続けたイフの世界のようなもので私たちが住んでる世界とは違った統治がなされている。

始皇帝が機械の体を手に入れ一極集中統治をおこなっている。

一方、PSYCHO-PASSは少し先の近未来の世界、シビュラシステムによる徹底管理がおこなわれている。

この点に加えて、すべてのエネルギー元となるような万能の穀物の存在、似ている。PSYCHO-PASSでは都心以外は無人の巨大農場になっているし、シンもまた首都咸陽以外は農場だった。シン帝国以外もそうなっているのか?

秋、31個の思うこと

 

行き詰ってたときに読んで、助けられたブログを見たら中身のないただのアフィリエイトブログになってて悲しかった

 

人の楽しい話や幸せな話を聞いて息苦しさを感じるときはツイッターを閉じて月を見る

もし雨が降ってたら雨の音をきいてじっと目を閉じる

 

暗い人は、いつも暗いことを考えていて暗いこと考えるのをやめればいいじゃんって思うけど世の中、それができる人ばかりではない

ってことをわからない人も多い

 

チェロの音色が美しくて泣きそうになる

 

中国の民族楽器を使ったlo-fiな音楽を聞いてる

 

スキゾイドとは?スキゾイドの人の考え方はこんなの」のツイートが流行ってたからスキゾイドのことを考えててかなしくなってる

 

スキゾイドって聞くと(キングクリムゾンだ)って思うけどキングクリムゾンの話を振ったらキモオタっぽい 

 

まだMBTI性格診断のことを考えてる

いつもINTJが出るけどENTJになりたい

診断するといつも外向性と内向性が51%と49%みたいになるからだいたいクリア

 

かわいいアイシャドウパレットが売ってて買いそうになったけど買わなかった、似たようなの持ってるから。

諦めるっていう行為、大人になったからできるようになったけど高校生のときなら夢と憧れだけで行動できたのに少しさみしい

 

オシャレなバーの片隅で好きな映画の話したい

 

自己肯定感低いのに自分大好きすぎると思う

 

一度も使ってない天体望遠鏡土星を見たい

 

急に人生がつまらすぎて退屈で退屈で死にそうになってるから冒険たくさんしたい

 

自分で自分の人生を飽きさせてたら自分が可哀想だからすぐに飽きないように求心力を忘れない

 

シルクロードや砂漠に対して憧れがあるのは安部公房の本をたくさん読んだからで安部がいた満州は湿度の高い日本の空気とは違って乾いた風が吹いていたという

 

現状の暮らしとか生活には満足してないけど己の心のあり方が好き

 

本当はとてもさみしいけどどうでも良い人に同情されるくらいなら自害したいからぜんぜんダメ

 

ニンジンとオリーブオイルと醤油とツナとクミンとか入れてレンジでチンすると美味しい

 

ワインのつまみのレパートリー10種ほしい

 

やりたいことばかり、夢ばかり語って何も実現してないけどそんなの気にしないしやれるときだけやればいい

 

言いたいことはっきり言いたい

何故なら言わないとほかの言いたいこと言った奴が勝ちになっちゃうから

 

戦いたくない

 

ハロウィンよりも死者の日にさいきん良さを感じる

 

クリスマスと正月のこと考えたら憂鬱になった

 

自分もやったことあるような恋愛の失敗話を「わかる、わかるよ」って上から目線で見てるのなんも偉くないからやめたい

 

髪型とメイクがいまいち決まらない

 

ここで、化粧ブラシを洗ってないことに気付いたからブラシを洗って眉ティントをする

 

……

 

ブラシ洗って、眉ティントしたし他のこともちゃんと済ませてきた(えらい)

 

毎日、毎日、一生この毎日が続くと思うと憂鬱になってきた

どこで何をしたいか考えようとしてもそれすらわからない

 

あと今日はアニメを少しだけ見て寝る

アンドロイドが感情を持ったら 『Detroit: Become Human』(※内容ネタバレなし)

Detroit: Become Human(デトロイトビカムヒューマン)」というゲームが気になっていてずっとそれのことばかり考えている。

アンドロイドが主人公のSFゲームで、3人の主人公を操作するアドベンチャーゲームなのだけれど、主人公3人が取った行動によってストーリーの結末が幾重にも分岐するらしい。

 

デトロイトビカムヒューマンの世界

 

 2038年、デトロイト

人工知能やロボット工学が高度に発展を遂げた、アンドロイド産業の都。

ストーリー紹介 | Detroit: Become Human オフィシャルサイト | プレイステーション

舞台は近未来のアメリカでアンドロイドの利用が当たり前になっていて、肉体労働者とかサービス業とか、介護従事者、家事サービスみたいな仕事はほとんどアンドロイドにとって代わられている。ゲームの中で人間の失業率は50%を超えている。

 

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世界観の話をすると、このゲームの世界ではアンドロイドが普及して豊かになった一方で、失業率はひどく、不満からアンドロイドへの虐待や差別も問題になっている。街角のシーンでアンドロイド反対のデモ集団が演説をしていたりするし、アンドロイドはバスに乗るときアンドロイド専用スペースに乗らなきゃいけないし、入口に「アンドロイドお断り」のシールが貼られた飲食店やショップが普通にある。アパルトヘイトと彷彿とさせる。

 

でも、アンドロイドは感情は持たない。

(無料体験版「人質」というエピソードがプレイできる。家事アンドロイドが突然暴走。人間の女の子を人質にとって立てこもる。)

はずだったのだが、 ある日意思や感情を持っているとしか思えないアンドロイドが現れる。ストーリーを見ていると「アンドロイドは人間と同じなのか?それともただの機械なのか?」と思わざるをえない。ただの機械でないとしたら、アンドロイドに対して行われる差別は許されていいのだろうかとかそんな風に思えてくる。ゲームの中ではアンドロイドの差別のことが描かれているけれど、おとぎ話の世界の話でなくて、現実の世界にはびこる差別問題を投影しているような気がする。

 

アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

 

ところで、アンドロイドと人間の抗争とかいう話をきくとフィリップ・K・ディックSF小説アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」のことを思い出す。この小説の主人公デッカード刑事が火星で奴隷として働いていたアンドロイドが脱走して地球に潜伏しているのを、リストの写真をもとに見つけ出して、レーザーガンを使って戦い処理していく、みたいな話で、映画「ブレードランナー」の原作。

アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229))

アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229))

 

(すごくかっこいいデザインの表紙。)

 この小説の中に出てくるアンドロイドは人間とまったく見た目は変わらなくて、同じように意思を持って、行動している。そんなアンドロイドを見て主人公デッカードは、だんだんアンドロイドの処理をすることに疑問を持つようになる。「Detroit: Become Human」のアンドロイドを見ている私たちも、同じようなことも同じようなことを思う。アンドロイドが意思を持ち行動する未来が、本当にいつか来るのだろうか?

 

すでに「少なくとも2045年までには、人工知能が人間の知性を上回る技術的特異点が訪れる」という考え方があったりする。

シンギュラリティ(技術的特異点)とは、人工知能が発達し、人間の知性を超えることによって、人間の生活に大きな変化が起こるという概念を指します。

シンギュラリティ(技術的特異点)とは?2045年問題と人類にもたらす可能性や影響をご紹介 | BizHint HR(人事の悩みにヒントを届けるニュースサイト)

 

「Detroit: Become Human」の舞台は2038年だったし、そう遠くない未来に、実際に起こりうることなのかもしれない。人間によるアンドロイドの差別や、「ターミネーター」みたいなアンドロイドによる反乱とか革命が、現実味を帯びてきている。その時我々はどうするのだろうかとか考えていた。

 

メイキングがすごい

話は変わって、ゲームのメイキング動画を見たら面白かった。見てほしいが、メイキング動画は38分あるので概要だけまとめた。

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サムネイルに写っている人は、主人公のひとり「コナー」にそっくりな本物の人間。このゲームは本物の俳優を使ってモーションキャプチャーで撮影を行っているからだ。これだけでも驚いたのだけれど、物語が選択肢によって分岐するので、映画一本で100ページくらいの台本が、このゲームでは4,000~5,000ページくらいある。そのストーリーを全部実際に俳優が演技しているので、すごい労力がかかっている。

動画の後半では、演出やサウンドトラックの話をしている。主人公3人それぞれでカメラワークや照明の当て方、作曲担当者が違い、キャラクターのストーリーや特徴にあった演出が加えられているので本当に手が込んでいる。ゲームの世界観も素晴らしいが、世界観を作り上げるための努力もすごい。この辺りを踏まえても、絶対にプレイすべきゲームだと思っている。

ほかにも設定資料とか特典映像とかどれも見応えがありそう。Amazonで特典の資料付きでゲームが売られているので先にソフトだけ買っておこうかと思った。誰かPS4下さい

桜の花が怖い

 

ちょうどこの時期に、昨年の春に下書きに保存していた文章を見つけたから、少し書き換えて完成させたのをブログとして公開しようと思う。

 

桜の花が咲く少し前の季節は、いつも桜の花が咲くのが怖くて怖くてたまらなかった。

頭の中に桜の木を思い浮かべる。何もない暗闇の中に満開の桜の木が立っているイメージ。その桜の木にむかって歩いて近づいていくと、だんだん、花という花がこちらを見つめて返してくるような気がしてくる。おかしいと思って、目を凝らしてみると、花だと思っていたのは実は数千もの目で、私は思わずアッと叫んでその場から逃げ出してしまいたくなる。

 

春は新しい季節の始まりで気持ちが高まる反面、気分が落ち込み憂鬱になりやすいともいうから、その気の落ち込みが重なっているだけなのかもしれない。大学に通っていた頃、向かう坂の途中には、桜の並木があって、毎年、光の中に舞う花びらを見ては「綺麗だな」と思っていたし、ビニールシートをひいて、友人とお花見をしたこともあった。その時に見た桜はごく平凡なものだったし、恐怖とかそういうものには結びつかなかった。

 

桜が怖くなるきっかけは、 梶井基次郎の「櫻の樹の下には」を読んだせいかもしれない。

 桜の樹の下には屍体したいが埋まっている!
 これは信じていいことなんだよ。何故なぜって、桜の花があんなにも見事に咲くなんて信じられないことじゃないか。俺はあの美しさが信じられないので、この二三日不安だった。しかしいま、やっとわかるときが来た。桜の樹の下には屍体が埋まっている。これは信じていいことだ。

梶井基次郎 桜の樹の下には

 

皆が信じて疑わない完璧な桜の美しさに難癖をつけたこの小説は、相当衝撃的で、これを読んだ人は、皆、桜の美しさに疑問を抱かざるをえなくなるんじゃないかと思った。

 

この「櫻の樹の下には」を読んだあとの最初の春、3月の終わりに。いまにも雨が降り出しそうな暗い日に近所の神社に桜を見に行った。桜の木が植えられていて、春は見事になるはずだから。正面の道路に面した入口からではなく小さな路地に面する裏口から神社に入った。じゃりじゃり、と玉砂利を踏んで進んだ先の小さな神社の境内には、誰も居なくて、時が止まったかのようにしんとしていて、雨以外に動くものも聞こえる音もなかった。小さな神社は満開の桜の花で埋め尽くされていた。

淡いピンクをした無邪気な桜が、暗い曇り空の下では、血の気を失った死者のように蒼白な花に見えた。

神社に行く数日前の夜にも、別のところで桜の花を見た。その時の桜は、街灯と月明りに照らされて、綺麗だったが、夜だからかなんだか、少しだけ胸騒ぎがした。その時感じた胸騒ぎというか予感が、神社の桜を見た時、急にはじけ飛んだように思えた。私は異界に迷い込んでしまったのだと思わざるを得ないくらい、不気味だった。

さっき梶井基次郎の話をしたけれど、桜を不気味に描いた小説がもうひとつあった。梶井基次郎のほうがなんとなく好きだけれど、神社の桜の木の下に立った時、陥った不思議な感覚は、坂口安吾桜の森の満開の下」が近いかもしれないなと思った。

 

この不気味な桜の花を見た春は、大切な人を失うような嫌なことがあった(死んだわけではない)。目に焼き付いて離れない不気味な桜の花と、嫌な思い出が重なって、フラッシュバックするのだろうと思う。春はいつもその思い出が虫のように蠢いて湧き出てきて不快だった。

けど、今年桜を見に出かけても、嫌な気持ちがしなかった。その思い出がもう薄れつつあるからかもしれない。

 

 

檸檬 (角川文庫)

檸檬 (角川文庫)

 

 

 

桜の森の満開の下・白痴 他十二篇 (岩波文庫)

桜の森の満開の下・白痴 他十二篇 (岩波文庫)

 

 

「VA-11 Hall-A」のこと、私のこと

最近は寒くて気が乗らないので、「VA-11 Hall-A(ヴァルハラ)」というゲームを気が向いたときに少しずつやったり、動画を見たり、毎日をただそのまま生きたりして過ごしている。

 

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「VA-11 Hall-A」のゲームの中では私はバーテンダーになって、店にやってくる客にカクテルを振るまいながら、話をきいている。いつもの生活とは違ってすごくたくさん人と話している。

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この前なんかは”脳”が客としてやってきた。いつもはせめて人の形をしている客がくるからびっくりした。「VA-11 Hall-A」のゲームの中の時間は、ちょうどこの記事を書いている今と同じクリスマス前の12月なので、すごく現実とリンクしているような気がしてくる。現実で”脳”に会うことはないけれど。

ゲームの中でも、電気代のために貯蓄を残しておかないといけなかったりするし、ときどき欲しいものがあったら買わないと気が済まなくて仕事に集中できなくなったりする。これはすごくすごく、生活に近い。

バーの常連客の女の子に「あなたは、ここ最近誰かと体を重ね合ったり、触れ合ったりしたりすることはあるの?」そんなことを聞かれた。ゲームの主人公のバーテンダーのジルは「……。そういうことを確かにしてないかもしれない」というような調子のことを少しうつむきながら答えていた。

ジルは別の場面で「2,3年前に恋人と喧嘩別れしたままだ」と言っていた。ジルの部屋には、恋人とジルと恋人の妹の写った写真が昨日撮ったばかりの写真のようにずっと置かれている。ジルはきっと2,3年前から誰とも、肌を重ねたり、抱き合ったり手をつないだりしていない。

「VA-11 Hall-A」のゲームは20XX年かいつかの近未来の世界を舞台にしていて、政府もダメで、都市の治安も悪く、荒廃した世紀末ような空気感がある。ゲームの中の時間が進むにつれて暴動やテロ事件が起こってくる。今、私が見ている現実世界よりも、もっと落ち着けないひどいところのような気がする。

テロや暴動が起こっていても、ジルは普通に私と同じような悩みを持っている。同じような虚無感を抱えてるかもしれないけれど、ジルはそれに気づかないフリをしながら生きているように見える。こういうところは、すごく私と似ている。ジルはバーで働いてお金を稼いで電気代を払って普通にその中で生活をしている。こんな世界の中にも普通の人の生活がある。なんだか安直ではあるけれど、「戦時中を舞台にしながら、戦争のことじゃなくて、その世界に生きる人の日常を切り取っているこの感じ」は映画「この世界の片隅に」にも近い。

ジルにも悩みや生活があるように、バーテンダーのジルの目を通して見る客たちもたくさん悩みを抱えている。人と話して関わることは、とても楽しいけれど寂しいことのように思う。

ジルでなくて、私の話をする。知人の男性に、少し仲良くしてくれて酔うと冗談なのか「遊びにいきましょう」とか言って話しかけてくれる人がいたけれど、いつの間にか右手の薬指に指輪をしていた。「遊びにいきましょう」、そんな風に声をかけてくるから「LIKE」に近い好きの感情を抱いていたような感じがする(けど自分でもわからないけれど、きっとこれは「LOVE」ではない。)たぶん、これ以上仲良くなっても気持ちには答えられないけど、でも誰か他の人のところに行ってしまったらつまんないな、というようなものすごいズルい気持ちを持っている。右手のそれについて聞くつもりもないし知りたくもないのだけど、本当はすごく気にかかっているし本当に知りたくないというような意地があるので、その人に固執しているという証明になってしまった。たぶん、自分を好いてくれてるかもしれない人が減るのが少し嫌なのである。本当にズルくて情けない気持ちになったし、悲しんでる。さみしいし、一人になりたくない。もし、誰とも話さず、一人で居たら、こんな気持ちになることもなかっただろうに、人と関わると少し悲しいことがある。でも、人と関わらないと得られない喜びや楽しさや知識やいろんなことがあるから、やめることができない。自分でもわかっているけど、酔っ払って適当なことを言う人間の言葉ほど適当なものはなく、信用できないものはないと思うのに、少し間に受けていて恥ずかしい。

ジルの居る「VA-11 Hall-A」に行って、このことを酒に酔った酔っぱらいの戯言としてジルに話したら、きっと私が思っていたのと同じようなことをジルは言う、「人はそんなにあなたのことを気にしていない」だとか、厳しいことを。けれど、クールなようで優しい彼女は、きっと私を励ましてくれるのだろう。ジルだって、同じような気持ちを抱えて居るにも関わらず。

息苦しい気持ちが、寒い冬の12月後半の時期にムクムクと膨れ上がっていく。ゲームの中のジルも、同じ12月の冬を過ごしている。ゲームはまだクリアはしていない。だから今日もわだかまりの答えや居場所を求めて、「VA-11 Hall-A」へ、ジルにまた会いに行く。 

 

「VA-11 Hall-A」。PlayismとSteamから購入できます

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