アンドロイドが感情を持ったら 『Detroit: Become Human』(※内容ネタバレなし)

Detroit: Become Human(デトロイトビカムヒューマン)」というゲームが気になっていてずっとそれのことばかり考えている。

アンドロイドが主人公のSFゲームで、3人の主人公を操作するアドベンチャーゲームなのだけれど、主人公3人が取った行動によってストーリーの結末が幾重にも分岐するらしくてよくできてるしそういうのが好き。

 

ゲームの時代背景・設定 

 

 2038年、デトロイト

人工知能やロボット工学が高度に発展を遂げた、アンドロイド産業の都。

ストーリー紹介 | Detroit: Become Human オフィシャルサイト | プレイステーション

舞台は近未来のアメリカでアンドロイドの利用が当たり前になっていて、肉体労働者とかサービス業とか、介護従事者、家事サービスみたいな仕事はほとんどアンドロイドにとって代わられている。ゲームの中で人間の失業率は50%を超えているというようなことを言ってた。この時代背景設定が妙にリアルで近未来にありえそう。

 

www.youtube.com

 PS4を持っていないのでゲームをプレイしていないけれど、紹介動画を断片的に見ただけでも本当にストーリーがおもしろい。

ネタバレしない程度に世界観の話をすると、このゲームの世界ではアンドロイドが普及して豊かになった一方で、失業率はひどいし、そういう不満からアンドロイドへの虐待や差別も問題になっている。街角のシーンでアンドロイド反対のデモ集団が演説をしていたりするし、アンドロイドはバスに乗るときアンドロイド専用スペースに乗らなきゃいけないし、入口に「アンドロイドお断り」のシールが貼られた飲食店やショップが普通にある。アパルトヘイトと彷彿とさせる。

 

でも、このゲームの世界のアンドロイドは感情は持たない。

(無料体験版「人質」というエピソードがプレイできる。家事アンドロイドが突然暴走。人間の女の子を人質にとって立てこもる。)

はずだったのだが、 ある日意思や感情を持っているとしか思えないアンドロイドが現れて。ストーリーを見ていると「アンドロイドは人間と同じなのか?それともただの機械なのか?」と思わざるをえない。ただの機械でないとしたら、アンドロイドに対して行われる差別は許されていいのだろうかとかそんな風に思えてくる。ゲームの中ではアンドロイドの差別のことが描かれているけれど、おとぎ話の世界の話でなくて、現実の世界にはびこる差別問題を投影しているような気がする。

 

アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

 

ところで、アンドロイドと人間の抗争とかいう話をきくとフィリップ・K・ディックSF小説アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」のことを思い出す。この小説の主人公デッカード刑事が火星で奴隷として働いていたアンドロイドが脱走して地球に潜伏しているのを、リストの写真をもとに見つけ出して、レーザーガンを使って戦い処理していく、みたいな話で、映画「ブレードランナー」の原作。

アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229))

アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229))

 

(すごくかっこいいデザインの表紙。)

 この小説の中に出てくるアンドロイドは人間とまったく見た目は変わらなくて、同じように意思を持って、行動している。そんなアンドロイドを見て主人公デッカードは、だんだんアンドロイドの処理をすることに疑問を持つようになる。「Detroit: Become Human」のアンドロイドを見ている私たちも、同じようなことも同じようなことを思う。アンドロイドが意思を持ち行動する未来が、本当にいつか来るのだろうか?

 

すでに「少なくとも2045年までには、人工知能が人間の知性を上回る技術的特異点が訪れる」という考え方があったりする。

シンギュラリティ(技術的特異点)とは、人工知能が発達し、人間の知性を超えることによって、人間の生活に大きな変化が起こるという概念を指します。

シンギュラリティ(技術的特異点)とは?2045年問題と人類にもたらす可能性や影響をご紹介 | BizHint HR(人事の悩みにヒントを届けるニュースサイト)

 

「Detroit: Become Human」の舞台は2038年だったし、そう遠くない未来に、実際に起こりうることなのかもしれない。人間によるアンドロイドの差別や、「ターミネーター」みたいなアンドロイドによる反乱とか革命が、現実味を帯びてきている。その時我々はどうするのだろうかとか考えていた。

 

メイキングがすごい

話は変わって、ゲームのメイキング動画を見たら面白かった。見てほしいが、メイキング動画は38分あるので概要だけまとめた。

www.youtube.com

サムネイルに写っている人は、主人公のひとり「コナー」にそっくりな本物の人間。このゲームは本物の俳優を使ってモーションキャプチャーで撮影を行っているからだ。これだけでも驚いたのだけれど、物語が選択肢によって分岐するので、映画一本で100ページくらいの台本が、このゲームでは4,000~5,000ページくらいある。そのストーリーを全部実際に俳優が演技しているので、すごい労力がかかっている。

動画の後半では、演出やサウンドトラックの話をしている。主人公3人それぞれでカメラワークや照明の当て方、作曲担当者が違い、キャラクターのストーリーや特徴にあった演出が加えられているので本当に手が込んでいる。ゲームの世界観も素晴らしいが、世界観を作り上げるための努力もすごい。この辺りを踏まえても、絶対にプレイすべきゲームだと思っている。

ほかにも設定資料とか特典映像とかどれも見応えがありそう。Amazonで特典の資料付きでゲームが売られているので先にソフトだけ買っておこうかと思った。誰かPS4下さい