「LISA」 -LISA the First,LISA the Painful,LISA the Joyful,3部作の話-

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(画像:LISA on Steam)

先日、LISAというシリーズの3部作のRPGゲームをやりました。

紹介と感想・考察を少し書いています。後半の感想について書いた部分のみ、ネタバレも含んでいます。

 

-目次-

 

ゲームの紹介

LISAシリーズはLISA the First,LISA the Painful,LISA the Joyfulの3部作のゲーム。1作目はフリー(無料)で配信中で、2.3作目はSteamで購入できる。

 The Painfulのトレーラー(クリックで再生します。)

 

The First(1作目)について

2012年リリース。1作目のThe Firstは主人公であるリサが自分自身の心の中を探索していく探索ゲーム。ゲームを進める中でリサの精神状態というか境遇がわかってくるようになる。マップの感じやアイテムを集めて進めていく探索形式はどことなく「ゆめにっき」っぽく、ドット絵のテイストは「MOTHER」シリーズを彷彿とさせる。どちらのゲームからも影響は受けている模様。

所要プレイ時間は1時間前後。

 

The Painful(2作目)について

2014年リリース。2作目The Painfulはファーストの主人公だったリサの兄、ブラッドが主人公になっているRPG。今作からRPGによくある戦闘画面が登場する。ドラクエとかMOTHERみたいなコマンドを選んで戦う形式。

ファーストが、リサの心の中を舞台にしていたのに対して、ペインフルとジョイフルは現実の、女性が滅びた後の世界が舞台になっている。ストーリーは、主人公のブラッドが路傍で女の子の赤ちゃんを拾うところから始まる。3人の友人のほかの誰にも見つからないように女の子を育てると誓ったブラッドだったが、何年か経ったある日に女の子はいなくなってしまう…。という始まり方。

所要プレイ時間は10時間前後くらい。

 

The Joyful(3作目)について

2015年リリース。The Joyfulの内容は、ネタバレになるので割愛する。ジョイフルの時系列は、ペインフルのストーリーの直後になっている。ゲーム形式もペインフルと同じRPG形式で戦闘あり。

こちらのプレイ時間は2~3時間程度。 

 

 LISAシリーズの特徴 -残酷、狂気の世界-

ゲーム形式をまとめると、ファースト(1作目)はゆめにっき形式の探索ゲームで、ペインフル(2作目)、ジョイフル(3作目)はファーストからシステムもグラフィックも世界観も一新されバトルありのRPGになっている。ペインフル、ジョイフルのフィールドは荒涼とした砂漠で、マッドマックスみたいな敵がどんどん出てくるし、おっさんだらけのカオスな世界になっている

ただ、ペインフル、ジョイフルに登場するのは、野蛮な男たちだけではない。ゲームを進める中で、おぞましい姿のミュータントが登場して、何度か戦うことになる。このミュータントが人間の姿をいじったような、なんともいえない造形をしている。このミュータントたちの存在がポイントになっていると思う。MOTHERシリーズの影響を受けているらしく、独特の狂気に満ちた敵キャラや世界観が特徴的だ。

シリーズ通して、もうひとつ特徴的なのは、暴力的で残酷な描写だ。苦手な人はちょっとだけ注意してほしい。ドット絵のかわいらしい雰囲気と裏腹に、世界観は陰惨なものだ。1作目のファーストは、リサの暗い精神世界に焦点が当てられているし、ペインフル以降はまるでマッドマックスなので当然、殴るわ、蹴るわ、殺すわ……町が滅ぼされるわ……。暴力と狂気が世界を支配している。

また、ペインフル(2作目)は、システム自体もどちらを選択したとしても「最悪の結果になるような選択肢があったり仲間が死んでもう使えなくなったりする」シビアな内容になっている。一見理不尽だけれど、そこが逆に緊張感とスリルを生み出し、セールスポイントとなっている模様。ゲーム名にもペインフル(=痛み・苦痛)というタイトルがついているくらいなので……

 

ゲームモード選択について -ノーマルモードとハードモード-

2作目のペインフルにはノーマルモードペインモードがある。(ペインモードはハードモード的なもの。敵が一部変わる・追加される、使ったセーブポイントが爆発してしまい一度しか使えなくなる、追加マップが出現。)ちなみに、自分の場合は隠し要素などを見たかったので最初からペインモードでプレイした。

スチームのレビューでも、追加要素の関係でペインモードのプレイをおすすめされていたのだが、セーブポイントがなかなか使えないのがなかなかきつかった。進む道がわからなくなると少し疲れるため、初見はノーマルモードでもいいかもしれない。

モードによって敵やマップが変わるほかに、エンディング後のカットシーンにも分岐があるし、マップや仲間キャラを見落とすこともあるので1周で終わらずに、モードや選択肢を変えて2周やるのも楽しいと思う。慣れてから2周目にペインモードをやるのが良いだろう。ただし、初見でペインモードをやっても普通にクリア出来た上、セーブが限られていて後戻りできない緊張感も生まれる。(マゾの人は最初からペインモードでどうぞ。)

 

※以下の項目からネタバレを含みます。

 

ゲームプレイのメモ・感想

自己満足のメモがてら、感想と自分が辿ったルートや選択肢を書きます。既プレイの人向けの内容かもしれません。

 

筆者がゲームで辿ったルート

ペインフルで辿ったルート 

ペインフル(2作目)では前述の通り、仲間が死んだり、町が滅びたりするイベントがときどきある。自分の場合は、

  • ロシアンルーレットイベントで仲間のビーストボーンを死なせた。
  • エリア2で悪党2人組にTNTをあげてしまった。→TNTを使われてBob's dojoのある町が壊滅。

ロシアンルーレットのイベントは、初回は強制参加な上、完全に運要素で仲間が死ぬようなので、犠牲が1人で済んで良かったほうなのかもしれない。仲間を死なせておいて良かったなんてことはないのだが……。(ちなみに、テリーは使えないと思い、育てていなかったが愛着が湧いてルーレットでは選べなかった。)

他の分岐と思わしきイベントについて。エリア1のマッドドッグのいる町を出た時に襲われるイベントでは、マグは払わずバトルで火炎瓶を使ってなんとか勝利。エリア2の沼にあるという魚の町はヒントの台詞をきいて一回目のプレイで発見。Dismal IslandはBob's dojo町を滅ぼしたため地図が買えず行けなかった。クリア後に存在を知ったが、エリア2-3の間に居る裏ボスの”サタン”のトラックも見落とした。同じく、トラックの鍵も見落としてしまった。結構ガバガバである。

魚の町は一マスしかない沼の中に落ちるとあるし、サタンのトラックは、ファイトクラブ?のあるマップで右側の洞窟に入らず通り過ぎた先にある町の果てにあるので比較的見落としやすいのではないかと思う。

ブラッドの腕とジョイの使用について。バッゾーが出てくるイベントでは1度目は黙って腕を差し出し、2度目はアイテムをすべて渡したので、ブラッドの腕は片腕残した状態でクリア。ジョイは強い敵の前でタイミング悪くヤク切れ状態になったときに飲んだ以外、あまり使わなかった。火炎瓶もほとんど使わなかったので、完全にエリクサーがもったいなくて使えない症候群だった。

 

 最後に連れていた仲間ギース、ハーベイ、パーシーだった黄色い鳥と、魚の弁護士と、野グソの人である。ギースは毒、麻痺枠、ハーベイは状態異常回復枠、パーシーは炎上とHP回復枠として使用した。いろいろなキャラを使っていたが、この3人は比較的かわいいキャラで使いやすかったと思っている。マッドドッグも出血と炎上が付与できる技が使えて良かったかも。一番好きな仲間はレイジ(プロレスのマスクをしているバーで雇える人)。戦闘後の台詞でめちゃくちゃ叫んで元気なので、連れているとなんだか元気がでた。

仲間にできるキャラは30人いるのでパーティー編成で思考錯誤できるのは面白いと思う。戦闘は、若干壊れ性能のキャラがいるので、見つけると楽勝になってしまう気はした。 

 

ジョイフルで辿ったルート

ジョイフルの場合、選択肢はあまりなかったが一応。最後はワクチンを飲んで終わりにした。ジョイフルではジョイ使用・未使用で分岐はないようだが、ジョイは一度も使わずクリア。序盤だけ少しきついが、HP回復を怠らなければ、ジョイ無しクリアは余裕かと思われる。

 

ストーリーやシステムについての感想

感想とちょっと考察。

 

即死技とはなんだったのか -システム面について-

ゲームには、ブラッド以外の仲間が食らうと即死する技があるのだが、運がいいのか、悪いのか、警戒していたわりに一度も食らわなかった。発動確率が低いのだろうか。(ちなみに、英語のWikiには、即死技を使う敵使う確率が載っていて、使う確率が高いのはサタンやジョイミュータントのビーディなどだ。)

 

戦闘システム的の評価。自分では特に気にならなかったが、上記のように強い仲間キャラがいてコンボが決まるとわりと瞬殺できるので、戦闘バランスは大味かも。

BGMの雰囲気は良いが、使いまわし曲が多いかなという印象を受けた。それほど気にすることでもないが時々、音量バランスが気になる。テリーが仲間になるときに効果音とか、町の汎用曲にたまに入ってくるデデーン!みたいな音が気になる。あとジョイフルの一部の敵BGMが大きくてびっくりしたというしょうもない感想。

 

(追記:2017/02/27)リサを購入してやってみようと思ったきっかけを思い出した。ペインフルの冒頭でバディ(女の子)を拾ってから成長するまでの間操作不能のムービーシーンがある。それを見て購入しようと思ったくらい、冒頭のシーンが気に入っている。

ゲーム中にもときどき、回想場面が挿入されることがあったが、欲を言えば冒頭のようなセリフのない長いムービーシーンが数か所あっても良かったかもしれないと思った。

 

ジョイとミュータントの存在 -ペインフルプレイ後の感想-

ブラッドとバディの対立について。主人公のブラッドが、リックやスティッキー、バディと意見が対立して対峙することになるのはつらかった。ブラッドも、リックたちもバディにも考えがあるからこそ対立してしまうのだが、心が痛い限りである。徐々に、主人公だったはずのブラッドのほうが狂気に捉われていた存在なのでは?と思わされるのはあまりにも救いがない。リックやスティッキーに裏切られ、バディにも存在を否定されたブラッドの絶望感がゲームを進めるうちにひしひしと伝わってくるようだった。

ペインフル、ジョイフルに登場するミュータントたちについて。ゲームを進めた人ならば皆、ゲームの中に登場するミュータントが一体なんなのか、ジョイを飲み続けたらどうなるのか徐々に感づくはずだ。主人公のブラッドが最後にどうなってしまうのかもあらかた予想は着くと思う。

ペインフルの最後は、バディと会話するブラッドが倒れこんで、そのままスタッフロールと優しいBGMが入る。そのまま終わってくれるのかとホッとしたのも束の間、エンディングの字幕に紛れて「WAKE UP」などの文字が混ざり始める。その後画面が戻って、想像していた通りの姿になったブラッドが居た時は、やるせなくなってしまった。

ペインフルは、「女性が滅びた世界」という世界観を中心にして物語が描かれるのかと思いきやそうではなく、ジョイとジョイによって生み出されたミュータントの存在が中大きく感じられる。世紀末状態の現実世界そのものより、ジョイや、そのジョイを服用するブラッドの精神状態や狂気が中心軸になっている気がした。そして、ブラッドは終始自殺してしまった妹のリサのことで苦しみ続けている。バディに固執しているように見せかけて、リサのことで頭がいっぱいなのだ。だからバディとわかり合うことができないままになってしまったのではないだろうか。

ペインフルとジョイフルは1作目のファーストから、ゲーム方式もテーマもがらりと変わったのかと思いきや、描いているのは1作目と同じ精神や狂気の世界であって、「リサ」の存在であるような気がする。

スウィートハートは一体何者? -ジョイフルプレイ後の感想-

 今度はジョイフルの話。ペインフルでも進めていて手が止まりかけるような場面はあったが、ジョイフルの後半、Dr.ヤド戦でヤドの玉座(?)のミュータントがランドーの姿に変わった時と、Dr.ヤドを倒した後にブラッドが出てくる場面は特につらかった。戦いたくなくてしばらく攻撃できず、呆然としてしまった。

特に印象に残ったキャラについて。ブラッドをはじめとして救われず、報われないキャラが多いような印象だが、このゲームの中で一番救われないのはランドーだと思う。ブラッドには息子扱いされず、バディにも信頼されないのはあんまりだと思った。そして重要なのは、2作目で異様な存在感を放っていたバッゾーだ。3作目の最後にしてやっとバッゾーが何者なのか、何故ブラッドに立ちはだかったのかわかってくるのはよかった。バッゾーもまたブラッドと同じくリサの呪縛にとらわれていたわけだ。

 

他の気になる部分について。ペインフル、ジョイフルともに、はっきりわからない謎の部分は多い。気になるのは、ペインフルのジョイラボで死んでいた女性(ヤドの妻)は何故フラッシュの起こった後も生きていたのか?とか、ジョイフルに出てくるミュータント「スウィートハート」の存在とか。ミュータントは「ジョージ」とか「ピーター」とか個人名が多かったが、何故か「スウィートハート」はスウィートハートという恋人や愛しい人を意味する曖昧な名前だった。ジョイフルのエンディングで、バディがミュータント化した姿を見ることができるが、その姿に「スウィートハート」はよく似ていた。実は、「スウィートハート」とミュータント化したバディの関係性は後述のLISA英語版Wikiでも指摘されていた。あと、ジョイフルのワクチンを飲むか飲まないかの選択肢の前に、バディが「なに?」とブラッドに話しかけているようだった。台詞はなかったが、ブラッドは何か喋っていたのだろうか、とかが気になった。

また、結局女性が滅びる原因となったであろうフラッシュのことは謎のままで、描かれていない部分があるのは少し残念。

 

 おまけ -アートコレクションの話-

ペインフルとジョイフルを併せて購入したおまけ?でついていたアートコレクションの一枚絵も結構気になる点があっておもしろかった。没案なのだろうが、仲間キャラのオランや、レンジャーのブラックがミュータント化した姿のイラストがあった。ランドーのキャラ案だったであろう、いかついおっさんとか、リックやスティッキーたちの戦闘時のモーションらしきイラストもあったので、最初はプレイアブルキャラにする予定だったのかもしれない。こちらも要チェック。

 

リンク

  • The Firstのページ。The Firstはこちらからダウンロードできます。

 

  • The PainfulThe Joyfulのページ(Steamより)。

 

  • Lisa RPG Wiki(英語版)。豆知識や小ネタなどもかなり細かく記されているので、オススメ。英語の読める人は絶対読んだほうがいいです

 

  • 非公式日本語化mod、攻略法などを公開されているハザマさんのページ。英語でプレイしている途中でこちらの日本語化modを見つけ、導入させていただきました。ほかにもたくさんLISAの記事を書かれています。

 

 

 

 

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